序文

付録

サラリーマン亜種
生態別分類辞典

序文

当辞典は日本のサラリーマンの言動や行動の傾向を 調査し、亜種別に分類した辞典である。 サラリーマン種については多くの研究がされ、書籍も 出版されているが、亜種については調査はされて いなかった。 しかし、2009年、世界ほ乳類学会で久地大学を中 心とした「ヒト科ヒト目サラリーマン種亜種研究グルー プ」が発足し研究を進めた。 当辞典はその研究成果のひとつである。 当辞典が人類の進歩の一助になることを切に願う。

アオリーマン

人を煽り、焚きつけるサラリーマン。あやしい仕事、あやしい儲けに焚きつけるケースもあるので注意が必要である。

アガリーマン

昇格、昇給したサラリーマン。今後、更なる活躍が期待されるとともに、大きな壁を乗り越えることが要求される立場にある。

アセリーマン

仕事中に、汗をかいているサラリーマン。いい汗の場合と悪い汗の場合があるので、注意が必要である。

アメリーマン(1)

アメリカかぶれしているサラリーマン。会話中、横文字を使うことが多い。物事を大げさに語るケースもある。

アメリーマン(2)

雨を降らすことが多いサラリーマン。ゴルフ接待や野外行事などで雨を降らすことが多いため、注意が必要である。

アラリーマン

粗利を好むサラリーマン。儲けることを常に思考している。提示してくる見積の金額が高い傾向にあるので注意が必要である。

イジリーマン

他の個体種をいじるサラリーマン。「イジリ度数」が高いと「いじめ」になることもある。

イタリーマン

イタリアかぶれしているサラリーマン。雑誌「LEON」を携帯している。高級品を好むが全体的なコーディネイトはやや劣っている。

イトリーマン

IT(情報技術の意)を「イット」と誤読するサラリーマン。2000年代初頭に局所的に発生した。現在では絶滅した可能性が高いと指摘されている。

イビリーマン

弱い立場の者をいじめるサラリーマン。極めて陰湿なケースも想定されるため、注意が必要である。

ウリリーマン

営業回りのサラリーマン。セールスマンとも呼ばれる。押しが強く、打たれ強い種。しかし近年では、セールス活動が変化しているとも言われる。

エロリーマン

エロいサラリーマン。セクハラ事件を起こす可能性があるので注意が必要である。

オイリーマン(1)

油ぎっているサラリーマン。ギラギラしている。ゆえに爽やかではない。

オイリーマン(2)

老いているサラリーマン。定年間近な50代後半から60代前半に多い。この個体種から学ぶことは多いので、大切にすべきである。

オコリーマン

いつもピリピリしているサラリーマン。怒りの沸点が低い。大声での叱責、灰皿など備品の飛来に注意する必要がある。

オゴリーマン

飲み会などで奢るのが好きなサラリーマン。交際費や会議費と称して、経理処理する傾向があるので注意が必要である。

オタリーマン

オタクなサラリーマン。オンは仕事をそつなくこなし、オフはアキバ系趣味の専門家として活動する。※オタリーマンに関連する書籍が出版されている。

オトリーマン

他の個体種と比較して能力が劣っているサラリーマン。強化が必要な能力としては技術力、コミュニケーション能力などが挙げられる。

オリリーマン

出世コースを自ら降りる、もしくは降りたサラリーマン。私生活を優先したか、出世を諦めたか、理由は様々である。

カイリーマン

目標と行動がかけ離れているサラリーマン。その行動には乖離が生じ、周囲を戸惑わせるケースがあるため、注意が必要である。

カオリーマン

フレグランス効果により香っているサラリーマン。個体の体臭と化学反応が起き、プラスもしくはマイナスの効果が生じる。

ガキリーマン

その言動や行動が子供めいたサラリーマン。アダルトチルドレンとは似て非なる種である。

カゲリーマン

その個体に陰りの見えてきたサラリーマン。沈滞、不安定、不吉な雰囲気が垣間見える。

カタリーマン

過去の栄光や経験を語ることを好むサラリーマン。古き良き時代に固執し、同じ話の繰り返しになるケースが多い。

カロリーマン

摂取するカロリーを気にするサラリーマン。健康のため、食べ物に気を遣っているが、食欲に負けてしまう種も多く生息している。

キドリーマン

気取っているサラリーマン。お洒落な感じでさっそうとしている。仕事よりお洒落優先の場合は注意が必要である。

キバリーマン

気張っているサラリーマン。張り切って仕事に精を出している。気張り過ぎていると体調を崩すケースもあるので注意が必要である。

ギロリーマン

眼力の強いサラリーマン。眼球に表出する「仕事への真剣度数」が他の個体種の約3倍高いことが計測された。

ククリーマン

カテゴライズ、分類、整理を好むサラリーマン。整理することで仕事の効率化を進めるが、分類が分類を呼び、混乱を招くおそれもある。

クサリーマン

根性が腐っているサラリーマン。性格が悪い。または気分が滅入っており、元気がない場合もある。

クダリーマン

酩酊した状態でクダを巻いているサラリーマン。酒場で多く発生する。

グチリーマン

愚痴をこぼすサラリーマン。言っても仕方がないことをつぶやく習性がある。理想と現実の差を嘆く種が多い。

ケイリーマン

経理業務に就くサラリーマン。お金や数字に目を光らせている。

ケチリーマン

ケチなサラリーマン。飲食費はなるべく経費で落とす傾向にある。

ケムリーマン

喫煙するサラリーマン。喫煙からの脱皮活動(禁煙)の際は、神経が高ぶっている種も存在する。

コジリーマン

仕事をこじらせるサラリーマン。本人の性格が原因となり、人間関係もこじらせるケースもあり注意が必要である。

コモリーマン

休日に家に籠っているサラリーマン。インドアを好む。

ゴロリーマン

休日に家でゴロゴロ休息をとるサラリーマン。休息中は競馬や、ゴルフのテレビ中継を眺めているケースが多い。

サカリーマン

発情しているサラリーマン。異性もしくは同性を見る目が鋭く、思わぬ行動を取る習性がある。

サガリーマン

降格、降給したサラリーマン。今後、左遷が想定されるとともに、ある意味大きな壁を乗り越えることが要求される立場である。

サグリーマン

ある事象に探りを入れるサラリーマン。調査行動、水面下での行動が多い。心理学に長けている個体もいる。

サトリーマン

悟りを開いたサラリーマン。厳しい修行(仕事)の結果、真理を会得し、企業から巣立つ種もいる。アントレ種に進化した個体も多く存在する。

サボリーマン

営業時間内に繁華街でサボるサラリーマン。その時間を「情報収集」と位置付け、活動するケースが多い。

サマリーマン

要約を好むサラリーマン。要約しすぎ、抽象的となり、他の個体種に理解されないケースもある。

ザラリーマン

良質でなく、どこにでもいるサラリーマン。その個体は代替されるケースが多い。

シキリーマン

何事につけても仕切りたがるサラリーマン。「俺が全責任を取る!」と鳴くことがあるが責任を取った個体数は少ない傾向にある。

ジコリーマン

仕事上、事故を起こすサラリーマン。事故の原因は技術が未熟であることや、人間関係のもつれなどが多い。

スイリーマン

現象や原因を推理するサラリーマン。事実調査や解決活動には工数がかかるという理由で、問題を放置するケースが多い。

セコリーマン

せこい行動をするサラリーマン。細かくて、ずるい習性がある。自身は「慎重派」と自称することもある。

ダイリーマン

代理活動を主とするサラリーマン。代理で受電。代理で会議に出席。代理で謝罪する。

タカリーマン

お金や食事に群がるサラリーマンの集団。

タフリーマン

24時間戦っているサラリーマン。企業戦士とも言う。体が丈夫である。情熱にバイアスがかかり冷静さに欠ける場合がある。

タブリーマン

タブーを犯すサラリーマン。常識やマナー、規則、人間関係などの決まりごとを破り、周囲に不快感を与える習性がある。

ダブリーマン

重複した無駄な作業をするサラリーマン。「重複なく・漏れなく」が仕事の計画を立てる際の基本である。計画立案の強化が必要である。

タマリーマン

溜まっているサラリーマン。溜まる対象物の例としてゴミ、疲れ、ストレス、仕事、クレジットの支払い、性欲などが挙げられる。

チクリーマン

上司に告げ口、密告するサラリーマン。スピークアップ制度を導入している企業にとっては、要となるケースもある。

チャラリーマン

おちゃらけたサラリーマン。言動が軽薄であり、うわついている。

デイリーマン

日中、元気なサラリーマン。

トブリーマン

地方へ飛ばされるサラリーマン。左遷か、栄転か、判断に迷う場合がある。

ドナリーマン

大声での叱責を好むサラリーマン。パワーハラスメントの対象になるケースもあるので注意が必要である。

トロリーマン

動作や頭の働きがにぶいサラリーマン。仕事に遅延が生じやすく、納期遅れの原因になる。

ドロリーマン

泥臭い仕事を好むサラリーマン。スマートではない仕事が多く、効率的ではない。しかし見習うべき点も多くある。

ナキリーマン

仕事に失敗して、泣いているサラリーマン。仕事に成功して、泣いているサラリーマン。2種が存在する。

ナグリーマン

従業員あるいは備品を殴るサラリーマン。ボコリーマンよりバイオレンス度が低いとされるが、注意が必要である。

ナマリーマン

標準語とは異なるイントネーションで発声するサラリーマン。言語学上で言う、方言を用いて会話をする。ふるさとでは方言が標準語である。

ニギリーマン

他の個体種の秘密や弱みを握っているサラリーマン。弱みに付け込み、言いなりにさせようと迫る個体も存在するので注意が必要である。

ネゴリーマン

交渉、協定、取引などの話し合いを得意とするサラリーマン。事前の根回しをすることも多い習性がある。

ネムリーマン

会議やデスクワーク中に居眠りをするサラリーマン。健康障害のケースも想定されるため、注意が必要である。

ノボリーマン

大きな仕事を大きな山に例え地道に登るサラリーマン。努力を怠らず、失敗をおそれず前向きな習性である。

ハウリーマン

ハウリングを起こしたような声を持つサラリーマン。電子的、金属的な音声により不快感を伴うケースが多い。

パクリーマン

他人の手柄やアイディアを横取りするサラリーマン。

ハショリーマン

仕事を省略するサラリーマン。自身では効率化と称しているが、品質上の欠陥が生じるケースもあるため、注意が必要である。

バトリーマン

好戦的なサラリーマン。会議などで「相手を打ち負かそう」とする発言が表出しやすい。

バブリーマン

1980年代後半から1990年代初期に発生したサラリーマン。現在は個体が激減しており、絶滅の可能性が高い。天然記念物に指定された。

ハレリーマン(1)

その言動や行動が原因でハレーションを起こすサラリーマン。周囲への悪い影響がある。

ハレリーマン(2)

晴天に恵まれることが多いサラリーマン。ゴルフ接待や野外行事などで晴天となることが多い。イベント時に重宝されている。

ビビリーマン

臆病なサラリーマン。営業、プレゼンテーションなどを苦手とする。

ファミリーマン

家族をこよなく愛するサラリーマン。

ホコリーマン

誇り高きサラリーマン。自分の仕事に自信を持って臨んでいる。企業側は「期待の星」と位置付けるケースが多い。

ボコリーマン

従業員あるいは備品に暴行するサラリーマン。ナグリーマンよりバイオレンス度が高い、危険種である。

ホロリーマン

ホロリと涙させるサラリーマン。人情味溢れる語り口で周囲を感動の渦に巻き込み、ホロリとさせる。

マイリーマン

負けたサラリーマン。ダメージが小さい時は「いやぁ、まいった、まいった」と笑いながら鳴くが、ダメージが大きい時は、沈黙する。

マツリーマン

祭事を好むサラリーマン。宴会、社員旅行、運動会、ゴルフコンペなどのレクリエーションを好む傾向にある。

マモリーマン

守りを得意とするサラリーマン。保守的な傾向が強い場合、環境変化に追いつくことができず苦しむことがある。

メタリーマン

メタボリックサラリーマンの略称。デブリーマン。フトリーマンとも呼ばれる。

モテリーマン

異性にもてるサラリーマン。仕事も遊びもできる。リクルート社「R25」で活動している。

ヤメリーマン

企業を退職するサラリーマン。定年、自主、解雇と退職にはさまざまな理由がある。

ユズリーマン

手柄を譲るサラリーマン。部下や上司に花を持たせる習性がある。気持ちに余裕がある。

ヨイリーマン

酔っ払っているサラリーマン。新橋にその発生率が高い。テレビ番組の街頭インタビューで、その生態が観察されるケースも多い。

ヨルリーマン

夜、元気なサラリーマン。その反面、日中は覇気が無い。

ラブリーマン

かわいらしいサラリーマン。転じてかわいらしい備品を好むサラリーマン。後者はデスク回りが乙女チックに構成されていることが多い。

ロンリーマン(1)

論理的思考を有するサラリーマン。頭脳が優れていることを自負し周囲を見下すケースもある。

ロンリーマン(2)

独身のサラリーマン。転じて企業内で孤独なサラリーマン。後者の場合、周囲のサポートが必要な場合がある。

現在調査中。

付録

サラリーマン亜種の分類手法

久地大学生物学部ヒト科ヒト目サラリーマン種亜種研究グループでは日本のサラリーマン約4800万個体の生態活動に着目し、サラリーマン亜種(約100種)を定義づけた。サラリーマンの研究には、ほ乳類学を基軸とし、自然人類学、文化人類学、考古学など、様々な学問を応用している。

サラリーマン完全種の存在

久地大学生物学部ヒト科ヒト目サラリーマン種亜種研究グループは、調査、研究を進める中で、「『サラリーマン完全種』が存在するのではないか?」と仮説を唱えた。 「サラリーマン完全種」とはサラリーマンの究極、最終形態と位置づけられる種である。 2011年4月、TECOT(旧:初芝五洋ホールディングス)の協力支援を得られることが決定し、 現在は第1号「サラリーマン完全種」として、島耕作氏を対象に検証を進めている。 並行してヤマト中央建設の協力支援を取り付けるため、協議を進めている。
※サラリーマン完全種とはサラリーマンの究極、最終形態を言う。
※2010年4月にUMH(Unidentified Mysterious Human)に指定された。

製作:久地アバウト